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ユゥジンは語る。
七月七日に、日月両廠の生産物を一つにして、天河に投げ込むと、日廠と月廠の制作物一組につき、星が一つ生まれる。星の一つ一つが世界だと。
「浮槎でも空に見えてたんじゃない? 明滅する五色の雲が」
「見た者は、何でも願いがかなう瑞祥、って言われてましたよー」
「違う違う。五色の雲とは、星が生まれる瞬間。そして、消える瞬間」
壮大な宇宙論をフカすユゥジンに、チーミンは仕方なくつきあう。どうせチーミンは死んでいて、目下、ほかにすることもない。このユゥジンなる鳥とても、誰かに惑言を吐き散らかしたいときもあろう。チーミンは、おしゃれ以外の点においては寛大な女なのだ。
「星を作るのはいいとして、なぜ破壊するんですー?」
「出来のいい星もあれば、よくない星もある。一年ほど観測し、出来の悪いのは手直しして、それでも規格を満たさないなら解くことになってる。浮槎は、後者。解く予定に入ってる。この天上界・日月廠は、星を織り、そして解く工場――」
チーミンは、自身の唇がゆがむのを感じた。
これが笑いをおさめられようか。
「……なにそれ。それ、浮槎が作られてから一年弱の世界だ、って言ってるみたいじゃないですか。浮槎は千年前に織女神が開いた国ですよー?」
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