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「皆は皆さ」
ちょっと騒々しいが、いい奴らさ、と。ユゥジンは、白い胸を呼気でぱんぱんに膨らまし。鳥語で何事か吼え立てた。
啼鳴が満天に満ち、にわかに空き地が陰ったかと思うと。
「チッ! またこれか!」
やにわに激しい羽音と風圧が巻き起こり、チーミンは頭を押さえてうずくまった。
「吾の可愛い小鳥、いつまでも目を閉じてたら、原材料の調達ができないよ」
もっともだ。目をこすりながらチーミンは顔を上げた。
そこにいたのは、無数の乾鵲――ではなく。
人、人、人……それも全員が演劇の主役を張れるような、眉目秀麗な青年ばかり。
一同そろって、袖が黒く正面が白い長袍をつけている。
しかし共通の衣服を纏っているわりに、着こなしと態度が奔放すぎるため、混沌感あふれる様子でひしめき合っている。こいつらには協調性がない。一瞥でそう断言できた。
チーミンは美男一同を前にし、顎を上げてすごんだ。
「おいテメエら、かかって来るならまとめて来いよ!」
「いやいやみんなお友達だから。喧嘩始めないでチーミン」
そう言うユゥジン本人は。
またしても、特別すずやかな、後れ毛がむやみに色っぽい青年に変化していた。
女子の園で暮らしていたチーミンは目のやり場に困りながら、口を尖らせた。
「チッ、化けやがって……」
ユゥジンに動揺を悟られるなど死だ。
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