2章 星の修復

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「では、次は刈り取った羽毛を糸に仕上げていこう――クシュン!」 決してみずからは働かないユゥジンが、大量の羽毛入りの籃を前に、指示だけ出した。 「どうやって羽毛を糸にするんです?」 「答えはこの井戸にある」 言うなり、もとは鳥である美形男子群の歌舞が左右に割れて、井戸までの路を示す。鳥美男子たちが、あやしく手を揺らしながら、井戸に斜めに立てかけられた盥の存在を強調していた。 水を汲めと言うことらしい。 井戸を指すのに歌って踊る必要があるのか? と問うのも労力の無駄だ。明らかに面白がられている。 畜生ナメやがって。もちろんチーミンは、彼らの期待通りに鼻血をたらしながら、水を汲み上げ。息を切らして大量の竹籃から羽を盥へ移した。 籃の中の黒い羽はますますその黒さを増した。 「羽を水に漬けてふやかして、もみ洗いをする」 「ユゥジン、テメエ見てねえで手伝えよ」 「乾鵲の仕事は、基本的に、羽を美しく保つことだ。それに、乾鵲が星の意志に関与する事は禁じられている――クシュン!」 乾鵲は働かない。そういう理解が正しいらしい。
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