2章 星の修復

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ユゥジンをはじめとする鳥男子どもは、毛刈りされて冷えたようだ。あちこちで噴嚔(くしゃみ)の音が聞こえる。まあ、そんな連中に、水に手をつけろというのは酷かもしれない。鳥たちは羽毛を提供することで、すでに十分にチーミンに協力してくれている。そう思うことにした。 チーミンは一人で羽をもみ洗いし始めた。 乾鵲の羽は、カラスの羽のような質感だ。全体にごわごわしていて、芯が堅い。鶏や鴨の柔毛とはわけがちがう。 「こんな質感のものが糸になるわけが……」 とぼやくチーミンに、ユゥジンはしきりに噴嚔をしながら笑いかける。 「いい手つきいい手つき――クシュン!」 とりあえず人と話すときは洟をかんでから話せ。洟を垂らしていても美形なんて反則ではないか。チーミンが心中で悪態をついた時だ。 なんと盥の中で、乾鵲の羽は羊の毛のようにほぐれだした。羽も軸も、みな柔らかな繊維状に変わっていく。 これなら糸になりそうだ。天上の井戸水には特別な力があるらしい。 竹籃をひとつひとつ処理していき、すめば干して乾かした。 美丈夫群が手でそよそよと風を送り、乾かしているのはえもいわれぬ無駄さと色気とあやしさだ。天上の乾鵲ってやつは、まったくもって役に立たない生物だ。 チーミンはまた鼻血が出てくるのを感じた。 綿状になった羽は、翌朝には乾いていた。
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