2章 星の修復

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糸巻きは半日で終わったが、一つ問題があった。 チーミンは、作り上げた糸を撫でながら口を開いた。 「これ、全部黒い糸ですよ?」 「今度の織客は察しがいい、そう、もう一色必要だ」 乾鵲の羽から縒った糸は黒い。だが、修復材として見せてもらったあの織物は、縦糸が白、横糸が黒だった。黒糸ばかりでは、天を補修する布は織れないはずだ。 「白い糸はどうするんです?」 「それは小旅行になるね、荷物をまとめて」 得たりとばかりに。基本働かない美青年は、雄大に流れる天河をみつめた。
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