第一話

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「あいつ…これはストラップじゃなくて、お母さんから貰ったお守りだっつーの。馬鹿にしやがって。全国のパンが売り切れる呪いでもかけてやろうか?」 それは独り言にしては大きすぎた。 周囲の視線が気になり雪は自重し、黙った。 大切なお守りを見つめる。 「……。」 まぁダサいかもしれないけどさ。 長〜い間、代々家で受け継がれてきた、ありがたいお守りだっつーの。 ……ってか。 「大学ダルい……高校生活に戻りたい……私の青春カムバック……。」 再び独り言を呟く雪の耳朶を打ったのは、これも再び鳴り出したスマホだった。 「…ん?」 雪はその音に違和感を抱く。 「こんな音楽設定してたっけ?誰だか全然わかんないんだけど。」
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