どうしても 会いたかった

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 翌週、私はまたあの場所に1人でやって来た。今日は先週とは違い晴れているし大丈夫だろう、と足を踏み出した。  なのに。30メートルほどで足が止まってしまう。足が震えて前に出せない。何で前に進めないんだろう。  1人立ち尽くしていると、後ろから肩を叩かれた。振り返ると先週助けてくれた男の人が立っている。 「会えてよかった、今日は大丈夫そうですか?」  その優しい言葉にたまらず涙がこぼれた。 「大……丈夫じゃなさそうです。何でですかね。もう、どうしていいか分からないです」  その人はそっと肩に手を置いて言ってくれた。 「少しだけ時間もらってもいいですか? あっちで休みましょう」  そう言ってまたベンチに2人で座った。 「先週程じゃないけど足が動かなくなっちゃって。何でですかね」  私の言葉にその人は優しく答えてくれた。 「友達がいて安心できたのか、平気だったはずが先週の一件でまた恐怖が戻ってきたのか。……僕は心理学とか詳しくないので分かりませんが」 「困ったな……これじゃもうここに来れなくなっちゃう」 「あの……そうまでしてここに来てるのって何でなんですか? 差し支えなければ教えてもらえないでしょうか」  初対面同様の人にそこまで話していいものかと思ったけど、もう2回も助けてもらっている。私は全て話すことにした。 「あの道の先におばあちゃんの家があるんです。私、父と母の3人暮らしなんですけど、両親は顔を合わせれば喧嘩ばかりで。もう離婚すればいいのに、私が成人するまでは待つって。 今日も朝から喧嘩していました。そんな時は家にいたくなくて、おばあちゃんの家に行くんです。おばあちゃんには行く理由言ってないんですけど、いつも温かく迎えてくれるから」 「そうですか……おばあさんの所が心の安定する場所なんですね。事情は分かりました。じゃあ、ちょっときてください」  そう言うと、近くにあるコンビニの裏に来た。自転車が3台置いてある。その人は一番右の自転車に手をおいた。
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