どうしても 会いたかった

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 私がおばあちゃんの家に行くことを再開してから2ヶ月ほどたったこの日、私は白井さんにメッセージを送った。  “休みの日にごめんなさい、今日自転車借りたりはできないですか?”  するとすぐに返信が来た。  “今日もバイトしてる。もう終わるところだから自転車はあるけど、1時間位前から雨が降ってる。今日はやめたほうがいいんじゃない?”  私はいてもたってもいられず電話をかけた。バイト中で申し訳ないけど、お願い、出てください…… 「もしもし、岩代さん。どうしました?」 「バイト中ごめんなさい、今少しだけ電話いいですか?」 「もう終わるから大丈夫だけど……」 「おばあちゃん、朝から連絡が取れないの。今日は一緒に出かける予定だったのに。……なんか嫌な予感がして、今すぐ様子見に行きたいんです。だから、お願いします」  しばらく間が空いてから白井さんから答えが返ってきた。 「事情は分かった。だけど、雨の中岩代さんを1人で行かせる訳にはいかない。僕もうバイト終わるから、一緒に行こう。20分後にコンビニ前で大丈夫?」  白井さんの親切にまた私は甘えることにした。何もなければ後でちゃんと謝ろう。 「はい、大丈夫です。ごめんなさい、よろしくお願いします」  20分後、私と白井さんはコンビニで落ち合い、一緒におばあちゃんの家に向かった。着いてすぐ家のドアを開ける。 「おばあちゃん。和歌奈だけど、どこにいるの?」  そう言って居間に入るとおばあちゃんが倒れているのが目に入った。 「お、おばあちゃん、どうしたの? 大丈夫?」  私の声を聞きつけてすぐに白井さんがやって来た。 「救急車呼びます、ここで待っていてください」  私達はおばあちゃんと一緒に病院に向かった。……そして1時間後。 「和歌奈がおばあちゃんのこと見つけてくれたのね。ありがとう」  駆けつけたお母さんに抱きしめられた。  私がおばあちゃんを見つけたとき、もうほとんど息をしていなかった。病院について、おばあちゃんが亡くなったと言われるまでそれほど時間はかからなかった。  肺炎を起こしていたそうだけど、年齢的なところが大きな原因だという話だった。1人で住んでいるため、発見が遅くなることが多い中ですぐに見つかったのは良かったと言われた。  白井さんはずっと一緒にいてくれたけど、お母さんが来るのを見届けて帰った。お礼を言い忘れたと気付いたときには彼の姿は無かった。
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