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その看守、餌
俺に何かすれば殺す。
そう強く思っていれば、熱っぽい舌先は耳を舐め、そのまま首筋へと移動した事に虫のようなものが身体に這いずるような気持ち悪さを感じ、背筋は震える。
「 はぁー、はむっ、ん… 」
甘噛みのように首筋を何度も噛み、その度に当たる犬歯がいつか皮膚を食い破りそうな恐怖感すら感じ、眉間へとシワが寄る。
少しでも力を抜いた瞬間に振り払って、逃げる策を考えるも、相手も俺が逃げる事を考えて動いてるからこそ、片腕に入った力が緩むことはない。
「( なら、逆に緩めるか… )」
フッと息を吐いて力を緩めて隙間を作ろうとすれば、彼の手は身体の隙間へと入りズボンのベルトに触れた。
「 っ!?( おま、ふざけんな!! )」
男しかいない囚人や同性が多い職場だとしても、そう言った趣向は全く無い。
特に、毛嫌いしてる殺人鬼とヤるなんて死んでもゴメンだと身体を動かそうとすれば、簡単にズボンはズラされた。
「 グッ!!テメェ…これ以上、下手な事をしてみろ、ブッ殺してやる! 」
「 別にいい…どうせ俺、死ぬし 」
「 ッ!!? 」
死を悟ってる囚人が、急に暴れ狂ったり、犯罪に手を染めることはよくある話だ。
だからこそ、警戒をしてたはずなのに…腰を浮かせた俺の責任でもあるが、片手で尻を開いた後、慣らしなどもなく薄汚い肉棒を押し込んできた。
「 ふざ、ッ!! 」
感じた事もない裂けたような痛みと直腸をずり上げる異物の感覚に、吐き出そうとした声が消えれば、それを堪えるようにシーツを握る。
「 やめ、ろ…ば、か、…がッ…! 」
まるで発情期の犬が被さってるように、俺が抵抗できないと気付いた途端に肩を掴んで、腰を打ち付ける感覚に、目の前が光ったような錯覚を引き起こす。
ベッドのスプリング音なんて、壁やら食器を叩いて騒ぐ囚人達の音で掻き消され、それ等を沈めるように声を張る彼等の声によって聞けるはずもない。
「 あ゙っ!や、、め…ぐ、そ、…し、ね…か、す…! 」
ほんの少しだけ、16歳という若さで死刑になるなんて…と心を痛めた、あの一瞬を返して欲しいと思った。
声に色が含まれそうな感覚に、其れだけは避けたくて舌を噛もうとすれば、顎は掴まれ顔が横へと向けられる。
「 っ、ぐ……! 」
彼の舌先は咥内へと入り、気持ち悪さに閉じようとするも掴まれた片手で顎が固定され、防がれる。
他人の…それも同性の唾液に吐き気さえ覚え、目を閉じれば、咥内で暴れ舐め回す舌が、俺の奥へと引っ込む舌を見つけ出し、絡めとった。
「 ぅ゙っ、は、っ……( 息が、できねぇ… )」
直腸は何度も擦られ、内蔵を押し上げるように質量のある肉棒が奥を突き、其れによって全身が痺れて動けなくなるのに、舌までも好き勝手されれば、脳への酸素がまともに回らなくなる。
「 ぉ、っ、ぐッ…! 」
腹の中で暴れる肉棒による吐き気と酸素不足で、文句が吐けなくなる程に抵抗力を失っていた。
「 ッ…!ぁ、ぐ……く、ァ゙ぅ、っ…! 」
次第に、この屈辱的な事から逃れる一心で、本能は快楽へと変えて行かせようとしてるのが分かる。
それに染まらないように、なんとか理性を繋ぎ止めようとするも、舌先の感覚が甘く感じ、口端から飲み切れない唾液を垂らしては鼻にかけて熱い吐息が漏れ、
尻の痛みが麻痺を始め、誰も入ったこと無い内部がオスの形を覚え始めれば、自身の陰茎がシーツで擦られる度に、中央へと熱が集まり始める。
「 ま、て…ま、ぐっ……( まずい、これは…… )ッ……!! 」
強制的に犯され、強制的に促される射精によって他人のシーツへと溜まっていた欲を放てば、彼は舌を程に俺の耳へと優しい口付けを落とす。
「 ん、はぁ…気持ちいい…… 」
「 きも、ち……いい……?ぁ、な、なわけ… 」
一瞬、その甘い言葉に飲まれそうになりハッとした後に、肩を動かそうとすれば彼もまた上半身を上げ、繋がったまま俺の身体を後向けへとさせた。
脚に残るズボンが、敢えて脚を開かないようにすることで、孔の締め付けは自然と増える。
「 ば、か……オレの…かおを、みん、な…っ! 」
「 どうせ見えない… 」
「 っ!! 」
こんな顔を見られたくないと片腕で隠そうとするも、彼はその手を取り首後ろへと誘導してから深い口付けを重ねた。
「( あぁ、コイツ…盲目だもんな… )」
見えなければいい…と、無意識に思ってしまった時には負けていた。
この状態なら髪でも耳でも引き千切ることが出来たはずなのに、口付けや慣れた内部が擦られる感覚に、抵抗力が消失した。
いつか終わる…。
そう頭の片隅で思えば、彼の腰の動きは速度を回し、俺は自然としがみついて口付けに意識を向けた。
腹の中へと吐き出した欲が、直腸の奥へと擦り付けてくる感覚が気持ち悪くもあり、良いものでもある。
「( 頭が、壊れそうだ…… )」
俺がどんな情けない顔をしてるか、そんなのコイツが知るはずもない。
ぼんやりと口付けを受けながら視線を向ければ、宝石の様な瞳は一瞬俺と視線が重なりその目を隠すように長い睫毛と共に隠された。
「 ぅ゙、ッ……あ゙っ〜!く、そ、ッ!! 」
何度も欲を放ち、止まることない行為に嫌気がし、気を失いそうな感覚をなんとかギリギリの理性が留めていれば、彼は反らした喉へと舌を当て、痕がつかない程度に甘噛みをする。
「 ッ!!だ、ッ……!! 」
痙攣するように腰は震え、萎えた陰茎から薄くなった欲を数回に渡って漏らす。
「 あ゙っ、ぁ!! 」
急に震えが止まらなくなり、腰を反らしブーツを履いた足先を伸ばしたまま壊れた身体に困惑すれば、彼は上体を起こし俺を見下げた後に片手を陰茎を掴んで擦り始めた。
「 まっ、て…いま、やめ、て、ぐ、れぇ、ぁ……!! 」
射精とは違う、尿意のようなものが迫り、それを敢えて誘うように手が動けば、否定も虚しく制服へと透明な液を飛ばす。
「 すげぇね…。めっちゃ、潮吹くじゃん… 」
「 ッ〜!!! 」
無様な女の様だと思ってるのだろうな…。
そう思うと殺意すら感じるが、この身体は抵抗する気力を失っていた。
「 もういい、楽しかった 」
やっと終わった頃には、ドロっと音が出る程に中出しされた内部から肉棒が引き抜かれ、開放された。
直ぐに立つことが出来ずぼんやりとしていれば、無線から同僚の声が聞こえる。
゙ No.S-89!!何処にいんだよ!? ゙
「 ぁ、あぁ……すまない。ゲロの後始末していた 」
゙ は?さっさと戻ってこい ゙
現実に叩き戻され、気合いで身体を起こした後にズボンを上げてベルトの金具を止め直し、彼を立たせる。
「 どけ、シーツを外す 」
「 ………… 」
汚しまくったシーツだけ取り除き、身なりを整え、シーツを抱いて汚れた制服を隠せば部屋を飛び出す。
「( く、そ……尻がいてぇし、腹気持ち悪い… )」
抜いたはずなのに、まだナカに入ってそうなぐらいの感覚に嫌気をし、彼等の元に戻る。
「 No.2313のトレーはどうしたんだよ。食事の時間は終わってるぞ? 」
「 ゆっくり食ってるみたいだから、後で俺が返しておく 」
「 そうかよ…。ゲロ…災難だな。まぁ…こんなきたねぇ場所に入ったら、慣れなければ吐くか 」
長年蓄積された、男の体臭と欲の匂いが染み付いた場所でよかったと心の底から思った。
鼻が麻痺してる同僚に適当に合図を打ってから、洗濯をするついでに看守専用のシャワールームへと駆け込む。
「 あの、馬鹿…ふざけんな…。どんだけ、精液…出せるんだよ… 」
人間とは思えない程に、穴から溢れ出す精液を掻き出すのは恥じらいを通り越して殺意さえ芽生えていた。
「 あれー?No.S-89さんは? 」
「 No.2313のゲロを被ったらしく、シャワールームに入ったぞ 」
「 うえっ……ゲロ、それは災難っすねぇ… 」
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