天皇賞・春

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 追いかける。  トップとの距離は絶望的ともいえる。それでも必死に食らいつく。  この世界はトップが全て。他は全て大差ない。たった一つの栄光を目指して走って走って走りまくる。  第一コーナーを曲がり、第二コーナーを曲がり、第三コーナーを曲がり。  最終コーナーにさしかかり……何ということだろう、トップが突然止まる。その隙に諦めず追いかけていた他の馬がゴールへとなだれ込んだ。 「嘘だろ!」  夢を追いかけ。  見事破れた俺は己の馬券を勢いよく破いた。
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