クロス cross

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 私は今、自分が図書館司書に本気でなりたいのかを確認するために、図書館でバイトをしている。簡単な作業ができる学生を募集していたから。簡単なことでも実務を経験したら、向いているかどうかも、少しは見えてくる気がするし。  今日もバイトの日。図書館へ向かっていると、声を掛けられた。 「有紗ちゃん!」 「彩ちゃん!」 「今日、暇? 語学の授業で一緒の子達とごはん食べに行くんだけど、どうかなと思って」 「ごめん、図書館のバイトがあるんだ」 「そっか、残念。また別の日に誘うね!」 「うん! 私からも誘うから!」 「うん! 楽しみにしてる!」  彩ちゃんはとても嬉しそうな笑顔で応じてくれる。  彼女は忙しいし、素敵な人だから、こちらが合わせないといけないと思っていた。誘うなんておこがましい、どこかにそんな気持ちもあった。  でも、対等に接している今の方が、素敵な笑顔をたくさん見せてもらえている気がするし、たくさん話せている。  四回目までは、見えなかったこと。
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