レファレンス・リファレンス reference

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「二次会カラオケ行くけど、どうする?」 「ごめんね。明日バイトがあるから、やめとく」 「そっかー、残念。また飲もうね」 「うん」  笑顔で嘘を吐いた。明日は何もない。  話に入ることはできなかったし、私は帰った方がみんなも楽しく盛り上がるだろう。  一人で帰ることにする。今の時間ならまだバスもあるけど、歩けない距離じゃないし、酔い覚ましがてら歩いて帰ろうかなあ。そんなことを考えていたら、声を掛けられた。 「山内さん」  振り返って、非常にびっくりする。  近くで見ることのできた日はラッキー。そんな横井くんをもっと近くで見られるとは、思ってもみなかった。 「横井くん……」 「一人?」 「うん」  横井くんはちらりと腕時計を見た。 「もうこんな時間だし、危ないよ。俺も帰るだけだから。一緒に行こう」  最初に家の方向を聞かれ、それから私達はひたすら無言で歩いている。横井くんは無口だし、私も特に話したいことはないから。  少し暗い路地に入る。近道ではあるけど、普段だったらこの時間はやめておく、人通りの少ない道。  お酒が入っていたし、判断が甘くなっていた感は否めない。
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