第一幕 旅路

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 シルビィ以外の二人は、一瞬にして顔を強張らせた。 「リアム、彼女をここへ。気をつけろ! シルビィよりも悪戯好きで厄介な性格をしている。結界の籠の中に閉じ込めておいたが、おそらく反省はしていなだろう」 「はい、ですが彼女らしくていいのでは? 反省するようではホーキンズ教授(あなた)と張り合えないでしょう」  リアムはクスクスと笑って部屋を出て行った。 「まさか、クラリス行かせるのか? 嘘だろ! 俺だってクラリスは選ばないぜ。あいつをやるくらいなら、リアムでいいだろ?」  シルビィは悪態をついた。同族嫌悪というやつだ。若くして魔塔の主人を任されたシルビィは魔法レベルが高く、彼に敵う者が限られいるうえに、その限られた者のほとんどが、魔法学アカデミーの教授兼学長であるホーキンズだったり、その秘書であったり、皇室の皇太子であったりとなんらかの役職や肩書きがある者ばかりだった。なんの役職も肩書きもないシルビィに白羽の矢が立ったのはしかたないことだといえる。
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