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「心、制服可愛い!」 「本当? スカート短いから恥ずかしいんだけど…」 「ううん? すっごくエロ可愛い」 親友の春野美弥はニヤリと笑いながら心を誂っていたが、颯来が手を握ると止めていた。 「美弥ちゃん、紹介してよ? まだ挨拶してなかったし…」 「あっ! こっちは有川颯来くんよ? 知っての通り彼氏よ」 「天宮心です! さっき神社でお見掛けしましたよ」 「へ? 心来てたの?」 「うん? ちょっと猫探しに」 「ふぅん? だから戻って来なかったのだね?」 「ち、稚珈くん?!」 「まあ、いいけどサボったらお仕置きにするからね?」 稚珈は心にだけ聞こえるようにそう告げると、美弥と颯来はガン見していた。 「あ、黒埼稚珈くん。 私の彼氏です」 「ふぅん? イケメン」 「うん、男の俺でもそう思うよ」 「フッ 美弥ちゃんと颯来くんだね? 宜しくね」 「稚珈くん、心を宜しくね?」 「勿論だよ? 心ちゃんとは将来を考えているからね」 「へ?」 心はそんな発言に驚いていたが、稚珈はニッコリ微笑むと離れて行った。 「夜斗くん、仕事は大丈夫なの?」 「夜からだからな? 稚珈、珈琲おかわり」 「まだ飲む気? あまり飲み過ぎは良くないよ?」 「ふぅむ? じゃあ、カプチーノにする」 「フッ まあ、ミルク入ってるし大丈夫か」 稚珈と夜斗がカウンターで話していると、美弥は心にこう尋ねる。 「あっちもイケメンね? 心、誰?」 「夜斗さんだよ? マジシャンなんだって言ってたよ」 「へぇー それは凄い」 「そう言えば、神社の男の子も美形だったよね?」 「皆さん知り合いみたいです」 「ふぅむ。 イケメンは集うものなのね」 美弥と颯来がそんな風に解釈していると、またパラパラ雨が降り出していた。
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