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「予報は大外れね?」 「美弥ちゃん、今日は泊まる?」 「へ? でも、颯来くん明日は仕事でしょ?」 「大丈夫だよ? 午前中だけだから」 「そ、そっか?」 「お昼からデートしよっか」 「うんっ」 美弥はとても嬉しそうに喜んでいるので、心も嬉しそうに仕事に戻っていた。 それから、夕立喫茶店をクローズすると心は床をモップを使って掃除していた。 「心」 「はい? どうしました、稚珈くん?」 「今日は泊まりに来ない?」 「稚珈くん、寂しいんですか?」 「うん? 実際は心ちゃんと一緒に住みたいからね」 「…そ、そうですね」 「嫌?」 「違いますけど… まだ両親にも話していませんし」 「そうだったね? 挨拶に行かないとね」 「挨拶しに来てくれるんですか?」 「勿論だよ? 将来を考えているって言っただろ?」 「あっ… そう言えば先程言ってましたね」 「うん? だから、挨拶行くから住むの考えてくれないかな?」 「わ、分かりました」 「別に取って食ったりしないよ?」 「…分かってますよ」 心は照れくさそうにそう返すと、作業を再開しようとするが後ろからギュッと抱きしめられ出来ない。 「稚珈くん、掃除しないと帰れませんよ?」 「良いじゃん? ここにも泊まれるし」 「ダメですよ? お家で猫ちゃん待ってますから」 「うっ… それはそうだけど」 稚珈は名残惜しいのか離れたくなさそうなので、心はこんな風に告げる。 「ほら? 作業して帰りましょう? 夕飯作ったりしますから」 「泊まる? まあ、着替えは泊まる用に置いてるしね」 稚珈がそんな風に告げると、心は照れくさそうにこう返した。
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