☆1

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「何もしないのなら、泊まります」 「それは善処するとして… 心ちゃんの手料理楽しみだな」 「そうですか? 大した物は作れませんけど…」 「練習すればもっと上達するよ?」 「今日はグラタンにしますね」 「ふふっ 美味しそうだね」 稚珈はニッコリ微笑むと、お皿洗いをしにカウンター内に戻るので心も再開していた。 二人が掃除を再開していた頃、美弥は颯来に夕飯を食べさせていた。 「颯来くん、口開けてくれないと入らないよ?」 「ふふっ 美弥ちゃん、困る?」 「やっぱり自分で食べる?」 「嫌だよ? 折角のお楽しみタイムだからね?」 「…楽しむのは良いけど冷めちゃうから」 「フッ 美弥は可愛いな」 颯来はニッコリ微笑むと、漸くオムライスを食べてくれたので美弥はホッとする。 「すっごく安心した顔になった」 「だって、急に意地悪になるから」 「美弥が好きだからでしょ? ラブタイムは大事にしないとね」 「うん、そうね」 美弥はそう告げると、次を運ぼうとするが颯来はニッコリ微笑むとスプーンを取り上げる。 「あっ…」 「俺も食べさせたいな」 「…ちょっとだけだよ?」 「美弥は照れ屋さんだね?」 「颯来くんは意地悪になったけどね? 気の所為?」 「美弥にだけだよ?」 「そ、そうなの?」 「彼女なんだから特別に決まってるでしょ?」 「なら、少しなら許してあげるかな」 「ほら、食べないとお風呂も一緒に入るんだからね?」 「な、何言ってるの?!」 「まだダメなの?」 「…恥ずかしいから、もうちょっと待って欲しい」 美弥が照れくさそうにそう告げると、颯来はニッコリ微笑むとギュッと抱きしめていた。
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