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「朝から可愛いですね」 「…ほら、離れろ! 朝食作るのだろう?」 「ふふっ お腹空きました?」 「うん、空いた」 美々が素直にそう告げるので、夕弦はニッコリ微笑むと漸く離れて部屋から出た。 「な、何か色気が…」 美々はそんな風にボソッと呟くと真っ赤になりながら私服を選んでは着替えていた。 「…」 「美々さん、パンケーキにしましたけど食べます? 何覗いてるんですか?」 「い、嫌」 「俺観察するなら、至近距離でお願いしますよ?」 夕弦は真顔でそう告げると、近づいてくるのだから美々は余計に真っ赤になっていた。 「美々さん、どうしたんですか?」 「久しぶりだからどう接すれば良いか分からんのだ」 「ふぅん? 美々さんでも戸惑ったりするんですね」 「夕弦が何だか大人っぽくなったからだろ」 「そうですか?」 「そうだろ! 大胆、誘惑なんてして破廉恥だ」 「ほう?」 夕弦はニヤリと微笑むと、美々の手を引くとソファーに座らせる。 「な、何だ?!」 「美々さんも無防備ですよ? 油断してたら食いますからね」 「ダメに決まってるだろう」 「恋人を誘惑するのは当然ですよ? 触りたいし、触りたいって思って欲しいんですからね」 「…そ、そんな甘ったるいのは学生がするものだと思うのだが?」 「美々さんは嫌なんですか?」 「そ、そんな事を言ってる訳じゃない」 「なら、甘々なのもアリにしましょうよ?」 夕弦はそう告げるなり手をギュッと握るので、美々も慣れないので戸惑った顔をしていた。 「猫の時は強気なのに… 人間に戻ったら凄く女の子になっちゃうのが可愛いですね?」 「ち、朝食食べるぞ」 「フッ なら、食べさせてあげますね」 夕弦のそんな提案に美々は少し戸惑ってはいたが、コクッと首を縦にした。
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