★2

6/15
前へ
/42ページ
次へ
「美々さんが美人で可愛かったからですよ? 純粋で照れ屋でちょっと人見知り入ってましたよね?」 「言うな、それを」 「今も可愛くて仕方がないんですからね?」 「…夕弦、何して」 「可愛い服着てるから、つい」 「…」 「美々さん、止めないと脱がせちゃいますよ?」 「うっ… ダメだ」 「ふふっ さて、出掛けますかね」 「うむ」 美々はコクッと頷くと夕弦を見ていたが、携帯で誰かとメールしているようだ。 「…女か?」 「違いますよ? 幼馴染みがダブルデートしないかって送って来てて…」 「ダブルデート?」 「はい? まあ、絶対に四人で周らないと思いますけどね」 「ふぅん?」 「美々さん、興味あるんですか?」 「心も来るのか?」 「よく分かりましたね? 稚珈がダブルデートを提案してきたんです」 「そうか、なら… ダブルデートとやらでも良いかもな」 「美々さん、心ちゃんに興味あるの?」 「友達になったからな?」 美々はそう告げるとニッコリ微笑むので、夕弦は少しムッとなる。 「な、何だその顔は?」 「美々さん、女の子が好きなんですか?」 「そんな趣味はない。 友達になったからだ」 「ふぅん? じゃあ、俺ともラブラブしましょうね」 夕弦はニッコリ微笑むと、ギュッと手を握ってくるので美々は少し照れくさそうにしていた。 「美々さん、歩くの辛かったら言ってくださいね?」 「大丈夫だ」 「遠慮は要りませんからね?」 「…疲れた場合はだからな」 「楽しみにしてますね?」 夕弦は駅に到着するまでそんな他愛のない話をしていたが、稚珈を見つけると近づく。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加