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「夕弦、休みだったな」 「そっちも日曜日は定休日?」 「今日は晴れだからな」 「天気で営業決めるとか特殊過ぎだけどね?」 夕弦と稚珈がそんな風に話していると、心は美々に近づくとニッコリ微笑む。 「美々さん、おはようございます? 私服も素敵ですね」 「そ、そうか? 心も似合っているぞ」 「あ、ありがとうございます」 心と美々がそんな会話をしていると、電車がやって来たので四人は乗り込むと目的地へ向かった。 「美々さん、隣来て下さい」 「うん?」 美々は心の隣に座ると、両隣には稚珈と夕弦が座ってくる。 「美々さん、電車久しぶりですね」 「そうだな」 「そうなんですか?」 「半年ぐらいですかね、美々さん?」 「うむ、そうだな」 「そうなんですね? 普段はあまり乗らないんですか?」 「美々さんは、徒歩移動派なんだよ?」 「なるほど」 心はそう言っては納得していたが、美々をジッと見つめる。 「な、何だ心?」 「美々さん、お化粧されてます?」 「薄くだがな?」 「お綺麗ですよね? モデルさんとかしてるんじゃ?」 「嫌? してないけど」 「じゃあ、ナチュラルに美人さんなのですね? 羨ましいです」 「心ちゃんも可愛いよ?」 稚珈は話に割り込むように耳元でそう囁くと、心は顔を赤らめる。 「フッ 可愛い顔してる」 「稚珈くんが不意打ちだからです」 「嫌だったの?」 「嬉しいから、困ってるんです」 「なら、もっと困った顔みたい」 稚珈は目的地に到着するまで、心を言葉責めして困らせていた。
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