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「美々さん、誰か来ちゃったみたい」 「え?」 「神社の方から声がするから、少し待ってて?」 「…1人にする気?」 「ん? 美々さんも来る?」 「奥に居るから、すぐ戻ってよ?」 「…美々さん可愛い過ぎます」 「ほら、早く行ってきて?」 美々がそう言って夕弦を蔵から出すと、御守り目当てのカップルが待っていた。 「颯来くん、どれにする?」 「この猫の御守り可愛いね、美弥ちゃん」 「そうね? ピンクと水色のがあるみたいよ」 颯来と美弥が御守りに悩んでいると、聞き慣れた声が聞こえてきた。 「お姉さん大丈夫ですか?」 「えぇ、大丈夫よ」 「美々さん?! 何で出てきたんですか?」 夕弦は美々に駆け寄ると、心が買い物袋を提げて心配そうにしていた。 「あ、アンタ」 「あ、十刻くん」 「何やってるの? 美々さん、中に入ってて」 「うん?」 美々は蔵にまた入ると椅子に腰掛けては毛布に包まっているので、心は夕弦にこう告げる。 「私が付いてます」 「え? アンタ、仕事でしょ?」 「大丈夫です」 「じゃあ、すぐ終わらせてくるから少しだけ頼むよ」 夕弦はそう告げると、カップルに近づくと心は美弥達だと気付いた。 「ふふっ ラブラブなのに御守りで更にアップさせようって事かな」 心は蔵に入ると、美々の前にチョコンと座るとジッと見つめられた。 「…私、心です。 お姉さんは?」 「美々だ。 済まない、買い物の帰りだったのだろう?」 「すぐ近くの夕立喫茶店ですから、大丈夫です」 「ふぅん? 私も行ってみたいな」 「来ますか? 寒そうですし、珈琲とかありますよ」 「熱そうだな」 「あっ… 猫舌なんですね?」 「少しな」 美々は苦笑気味にそう告げると、心はこんな質問をする事にした。
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