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「美々さん、雨止みましたから帰りますよ? アンタもありがとう」 「心ですって?」 「そうだったな」 「十刻くん、稚珈くんと知り合いですか?」 「…まあ、近所だしね」 「あ、そうだよね?」 「さっきのカップル知り合い?」 「あ、そうです! 多分喫茶店目当てで神社にも寄ったのかと?」 「なら、早く戻りなよ? サボりはダメだよ」 「うっ 美々さん、またお話しましょうね!」 「う、うむ。 またな、心」 美々が少し戸惑いながらそう告げると、心は買い物袋から桃のゼリーを手渡してきた。 「冷やして食べて下さいね? お話聞いてもらったお礼です! それじゃ、また」 美々はゼリーを見つめると、蓋を開けて押し出して食べると目をパチクリさせる。 「美味」 「美々さん、彼女と仲良くなったんですか?」 「うむ。 友達になった」 「ふぅん? それ、俺も食べたいです」 「一口だからな」 美々はゼリーを手渡すと、夕弦は受け取らずに唇にキスするとペロッと舐めていた。 「…?!」 「甘っ」 「な、舐めるな」 「ふふっ 美々さんが可愛いから意地悪したくなったんですよ? 責任は美々さんにありますね」 「帰るのだろう? 普通の食事が食べたいから、作ってくれ」 「美々さんが可愛い私服着てくれたらね? その前にシャワー浴びてくださいね」 「何する気だ、夕弦?」 「勿論、一緒に寝るんですよ」 「そ、そうなのか?」 「恋人特権ですからね? お風呂一緒でもいいですけど、恥ずかしいでしょ?」 「…夕弦が意地悪しないなら構わんが?」 「…! 本当にいいんですか?」 「うん? 約束するならな」 「分かりました! 料理頑張りますね」 夕弦と美々がそんな風に約束していた頃、夕立喫茶店では美弥と颯来が遊びに来ていた。
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