第九章 省吾の一途な愛

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それなのに、優しく迎え入れてくれて、だからパンケーキのお店もついてきてくれたんだ。 私を愛してくれていた省吾さん。 私の責任だ。 「先生、私の責任ですね」 「いえ、省吾さんを助けるのは奥様だけです、もし、奥様も省吾さんを愛していてくれるのなら、ずっと側にいてあげてください、そうすればすぐに良くなります」 ミクは病室に戻った。 「ミク、先生なんだって?」 「ずっと側にいてあげてくださいって言われました」 「ミクはなんて答えたの」 「省吾さんを愛していますからずっと側にいますって」 「えっ、俺のこと愛してくれてるのか」 ミクは恥ずかしそうに頷いた。 「俺が退院しても奴のところへは戻らない?」 「はい、だって私は省吾さんの妻ですから、ずっと側にいます」 省吾はミクを引き寄せ抱きしめた。 ミクは初めて自分から省吾にキスをした。 「ミク」 「やだ、恥ずかしいからそんなに見つめないでください」
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