第一章 辰巳省吾との出会い

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「おはよう、身体大丈夫?俺もすごく乱れちゃって、相当無理させたからな」 「あのう、私……」 「誕生日に恋人に振られて、ワンワン泣いて、抱いてって迫られたからお前を抱いた、覚えてないのか」 嘘。 「すみません、ご迷惑をおかけして、私、帰ります」 ミクはベッドの周りに散らばっている服をかき集めて、バッグの中の財布を取り出した。 「飲み代払って頂いたんですよね、これ」 ミクはその男性にお札を差し出した。 「あ、大丈夫」 「でも、見ず知らずの人に払ってもらうわけにはいきません」 「見ず知らずの人はひどいな、昨夜身体を重ねた仲だよ」 ミクは顔が真っ赤になり、とにかくテーブルの上にお札を置いて、服を来て、 ホテルを飛び出した。 「まって、送っていくよ」 「大丈夫です、酔った勢いの一夜の過ちと思って忘れてください」 ミクは外に飛び出して、タクシーを拾って自宅に向かった。
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