第九章 省吾の一途な愛

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「でも、いきなり振られた、食事に誘ったら、代わりの子がきて、 俺、すげえショックだった」 「そうでしたか」 「体調悪いって早退したから、ミクのアパートに行ったら、親に仕送りしてるって、 質素な生活してた、だから俺、契約結婚って言ってプロポーズしたんだ」 「渡辺が溢れる感情は抑えてなんて言うから、一人で食事したり、抱きしめたい気持ちも グッと我慢した、ミクの気持ちが全然わからなくて、そしたら元彼が現れて、 ミクを連れて行ってしまったんだ」 話しているうちに過呼吸になって省吾は先生の診察を受けた。 ミクは先生の話を聞き終えて、愕然とした。 まさか、省吾さんが私に一目惚れだなんて。 契約結婚は建前で真剣にプロポーズしてくれたんだ。 それなのに、全くそんな省吾さんの気持ちに気づかず、真人についていって、 真人に抱かれた。 どんなにかショックだっただろう。
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