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 学園で倒れたときの記憶を思い出して、取り乱しだ私は寝室へと連れ戻されて、両親に寝室から出歩くことを禁止にされた。 「読みたい本があったら、メイドに頼みなさい。それと明日の午後、オルフレット殿下が屋敷にいらっしゃる。会うか会わないかは……ロレッテが自分で決めなさい」  そんなの、答えなんて決まっている。 「お父様、私はオルフレット殿下にお会いしたくありません……屋敷に来ないでくださいと伝えて!」  お断りを入れても、オルフレット殿下は翌日、屋敷への と訪れた……その1回だけではなく、2度3度と屋敷へいらした。  ――どうして?  他に好きな人が出来たくせに……私はお会いしたくないとオルフレット殿下を追い返していた。胸が苦しくて……いまはまだ、あなたの顔は見れない。あなたの口から、メアリスさんの名前も聞きたくない。  お会いしたときから……好きなの。  私が、オルフレット殿下の婚約者として選ばれたのは5歳の頃。王城の庭園でのお茶会の席で、あなたと出会い私は恋をした。それから始まった王妃教育は難しいことばかり。でも、いつの日にか。あなたの隣に立ち手助けがしたくて努力してきた。 (また、オルフレット様はあの子を見ている……)    コローレ学園に入学してすぐ、校内で迷うあの子を案内してから、オルフレット殿下が変わった。いつも冷静で愛はなくとも、婚約者の私に優しくしてくれたあなたが……噂を信じて、私を遠ざけはじめた。  もう一層のこと……学園を辞めて領地に戻り、オルフレット殿下の幸せを祈りながら、余生を過ごそうかしら。      コンコンコン 「はい」 「ロレッテお嬢様、オルフレット殿下がいらしました」  また……。  会うことをお断りした日からずっと、オルフレット殿下はその翌日、更に次の日もといらした。あまりにも屋敷を訪れるオルフレット殿下を不憫に思ったのか、お父様とお母様は『一度くらい会いなさい』と言いはじめる。  私のことなど、ほっとけばいいのに。  こんな、ウジウジする私もキライ!  勢いにまかせて『オルフレット殿下にお好きな人ができたのでしたら――私と婚約破棄してください』と手紙を書いて送った。  すぐにその返事が返る。 [落ち着いて、ボクはロレッテ嬢との婚約破棄など考えていない。2度とそんな事を言わないでくれ!]  オルフレット殿下は婚約破棄を承諾しなかった。
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