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 篠田真優は赤いネット袋に入った玉葱を手にとる。 「今日はカレーでいっか」  試験が終わったから手の込んだ料理を作ろうかと思ったが止めた。  試験勉強で睡眠不足が続いていたから疲れているのだ。 「優志は喜ぶんだよな、カレー」  中二の弟は好き嫌いがなく、何を出しても喜んでくれる。素直で優しいいい奴だ。  夕方のスーパーは真優の母親のような年齢の主婦たちで溢れている。  高二の自分が場違いな気がして、急に居心地の悪さを感じた。  そんなこととっくに慣れたはずなのに。  疲れているせいか、落ち着かない気持ちになった真優は、手早く買い物をすませ、どんどん混んでいくスーパーを後にした。
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