紅の女神〈くれないのヴィーナス〉

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僕には憧れの人がいる。 彼女に出会ったのは3年前。ある冬の寒い日だった。 真紅のワンピースに身を包んだ長身の女性。彼女の行うに、僕の目は釘付けになった。 一切の無駄を省いたスマートな動き。見惚れるほど洗練された技術。一点を見つめる揺るぎない()。そして時が経った今でも鮮明に覚えている、視界いっぱいに広がった赤。 その全てに僕は心を奪われた。彼女は僕が今までの人生で目にしたどんなものよりも美しかった。 この日、何の目的も無く、何の意義も持たずに生きてきた僕の人生が変わった。 あの日からずっと、僕は名前も知らないあの(ひと)の背中を追いかけている。

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