ブルーアイキャッツ

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「鳥越さんが飼ってる犬種って何?」 「ゴールデンレトリバー」 「賢くて温厚な性格だって言われてるよね」  手際よくウサギ小屋を掃除し終えて、ウサギに餌をやりながら彼は言う。 「一般的にはそう言われてるけどうちのはそんなに賢くないかな? よく暴れるし鈍臭いし?」  私も彼と同じようにウサギに餌をやりながらそう言うと彼はウサギに餌をやっている手を止めた。 「そうなんだ。会ってみたいな」 「じゃ今度うち来なよ」  彼が犬の話をし始めると人が変わったかのように喋るので気がつけば昔からの友達みたいに誘ってしまった。 「え、いいの!?」  今日初めて話したのに誘うのは早過ぎたかと思っていたが、彼は目をキラキラとさせていた。 「……江藤くんがいいならうちは全然いいけど」  無口だと思っていた彼は動物のことになると凄く喋るのが意外で面白かった。 「江藤くんってそんなに喋るんだね」 「えっ? おかしい?」 「ううん。少し意外だっただけ」  そう言うと少し恥ずかしそうに彼は下を向いた。
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