ブルーアイキャッツ

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 私達はその日を境によく話すようになった。  私の家のゴールデンレトリバーを見に来た時には他の人には懐かないのに不思議と彼にはよく懐いていた。気がつけば彼と一緒に帰るのが日課になっていた。学校から家までの道を歩きながらたわいもない話をする。 「江藤くんってさ、本当に動物のこと好きだよね」 「うん。好きだよ」 「動物のこと話してる時、別人みたいだし」  そう言うといきなり足を止めるので私も同じように足を止める。 「でも、僕はそれ以上に鳥越さんのこと好きだよ」 「え? 今なんて?」  そう言うと彼は鞄の中から小さな袋を取り出した。 「気に入ってくれるといいんだけど」  そう言って手渡された袋を開けると猫のキーホルダーが出てきた。それは彼の鞄についているキーホルダーとお揃いだった。 「これって……」 「可愛いって言ってたから買いに行ったんだ」  恥ずかしいのか下を向く彼の顔を私は覗き込む。 「私も江藤くんのことが好きだよ」  その日から私たちの鞄にはお揃いの猫のキーホルダーがぶら下がっていた。  彼は私に色々な動物のことを沢山教えてくれた。休みの日は二人で動物園に行って一日中過ごしたりもした。 「こんな言い方はちょっとダメかもしれないけど正直、ねねはもっとイケメンと付き合うと思ってた」  幼馴染の美南(みなみ)にはそう言われたけど、私にはもったいないくらいの人だと思っていた。人にも動物にも優しい彼と一緒にいられて私は幸せだった。  この日々がずっと続くと思っていた。
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