ブルーアイキャッツ

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 この公園は彼との思い出が沢山詰まった公園だった。色々な思い出が鮮明に思い出される。忘れたいのに、なかなか忘れることが出来ない。気がつけば公園の入口にさっきの青い瞳をした綺麗な猫が姿勢良く座ってこちらを見ていた。 「ねぇ、もしかして私に用があるの?」  そう言うとニャーと鳴いて、まるで着いてこいと言わんばかりに歩いていく。その猫の後を追って公園へと入る。さっきまで元気よく遊び回っていた子供達の姿はなく、やけに静かだった。不思議に思いつつも、奥のベンチに人影を見つけた。 「翼くん……」  その姿は紛れもなく彼だった。彼がいる方へ走っていくと彼は私を見て歯を見せてニカッと笑った。初めて喋ったあの時と変わらない笑顔……私の大好きな笑顔だった。そのまま彼の胸に飛び込む。そんな私を彼は抱きしめてくれた。 「ねね、また会えたね」 「つ、翼くん……」  色々言いたいことがありすぎて言葉にならない。そんな私を見て彼は優しく微笑む。
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