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湿った音が鼓膜を擽る。
殿下のものを優しく刺激すれば、元々反応していた状態からさらに力強く反応を示す。
すぐに先端から溢れ出てきた先走りで掌を湿らせれば、より滑りが良くなり上下させる手の速度をより早めた。
「くっ」
殿下の呼吸が浅くなり、喉が小さく上下する。そろそろ極めそうだったので、一度ここで手を緩めた。
「は、何故だ、リオン」
寸止めなんてこの国じゃ高度な技、コリンはやっていなかっただろう。
いちゃいちゃ身を寄せ合って擦って出して終わりと言ったところか。
半端に昂った熱を持て余し、頬を染め眉根を寄せる殿下の姿は中々そそるものがあるが、このまますっきりさせる気はない。
ポンコツな王子様だが、相当顔が良いし、こうして触れ合っていて正直悪い気はしないが。本音を言えば見た目はかなり好みなのだ。
これを機に自分好みにちょうきょ・・・殿下の立場をわからせたい。
一度手を離し僅かに後ろへずれてから上半身を屈めた。殿下は何をするつもりか分からないからか、ぽかんとした表情を浮かべている。
「さあ殿下、どうぞご堪能ください」
「はっ?え、ッ!」
唇を窄め、殿下のものをそっと咥え込む。歯は立てないように慎重に。
信じられないと言うような視線で見られているが、俺は気にせず頬張っているものに舌を絡める。裏側に舌を這わせ、そのまま頭を小さく上下させれば堪えきれない吐息が上から聞こえてくる。反応は悪くない。多少引かれるくらいは覚悟していたが、俺の与える快感が勝ったらしい。
拘束したままの足が小さく麻痺し、指先が丸まる。絶頂が近いのだろう。
俺は今度こそ解放を許し、促すように先端を優しく吸った。
次の瞬間口内に広がるあたたかさに殿下の絶頂を知る。躊躇いなく口の中のものを飲み込めば、一仕事終えた事への達成感に満足を得る。
「リオン、お前っ」
一回出した事で僅かに冷静になったのか、殿下が声を荒げる。しかし気だるげな雰囲気と赤い顔で迫力なんてものは皆無だ。恐るるに足らず。
そもそも手は拘束していないんだから、本当に拒否したいなら出来たはずだ。
俺より体格に恵まれているし、剣の心得もある殿下が本気で嫌がればそもそも脱がせる事さえ叶わなかったはずだ。
そうしなかったのは期待していたから。
見た事のない格好で、これまでの俺じゃ考えられないような積極的な行動を取り、未知の快感を与える俺に。
それにまだまだ序の口だ。
口淫で終わらせるつもりなんて毛頭無い。
「はあっ、満足したか?一体何のつもりか知らないが、今すぐに退けば今回の件は不問にしてやる」
「お断りします」
「はっ?」
俺の返答が予想外だったのだろう。ジェフリー殿下はぎょっと目を見開いた。
それに満足も何も俺はまだ殿下をイかせただけだ。これからが楽しいんじゃないか。
「それに殿下も満更ではないでしょう?」
一度上体を起こして下腹部に腰を下ろせば、月明かりに照らされた殿下の表情が鮮明に見える。不機嫌そうに眉根は寄せられているが、必死に表情を取り繕っているだけだとバレバレだ。
その目の奥に潜む欲望の炎はまだ消えていない。
俺が次にどんな行動を起こすのか本心では期待しているのだ。
それを裏付けるように、力を失っていたはずの殿下のものが力を宿し始めた。
俺は素直なその反応に気分を良くすると、緩やかに腰を上げる。
「素直な殿下は大変好ましいですよ」
「こ、のましいとは、ッ待て!」
「待ちません♡」
昂った先端に照準を合わせ、元々仕込んでいた香油の滑りを借り腰を深く落とす。
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