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「っく!」
「ッ、はっ」
ここにくる前に散々拡げておいたお陰で痛みは無いが、全て飲み込むには流石に苦しい。
ノリノリで襲い掛かってはいるが何せこちらも初めてだ。本音を言えば最初からガンガン腰を動かして攻めて行きたかったが、流石に難しいらしい。
作戦変更だ。
俺はセーターの裾を胸元まで捲り上げる。
素直な視線がセーターの裾を追いかけた後、一度下まで下がり再び胸元に戻って来るのを待ち声を掛ける。
「ジェフリー殿下、どうか私の"ここ"を可愛がってくださいませんか?」
「ここ、と言うと」
戸惑う殿下の手をそっと掴み胸元へと誘導する。薄桃色の乳首はくすみ一つなく、我ながら欲望を煽る見た目をしている。
ごくりと唾を嚥下する音は室内が静かなお陰ではっきりと聞こえた。
胸元にペタリと触れている掌から、殿下の熱と鼓動が伝わってくる。小刻みに震える指先は興奮の証だ。
「優しく触れてくださいね」
殿下の腕が十分届くよう、僅かに前屈みになり囁けば、指先に力がこもる。
「こ、こうか?」
「んっ、もう少し弱く・・・」
「す、すまない、痛かっただろうか?」
「いいえ、殿下、どうかもっとお手を触れてください」
「あ、ああ」
最初はおそるおそる触れていた指も、段々と慣れてきたのか自由に動くようになる。
優しくなぞるように触れられたかと思うと、不意に押しつぶされる。小さく声をこぼせばそれに気分を良くしたのか、より大胆な動きをするようになった。教えてもいないのに二本の指で優しく引っ張られた時は、思わず高い声を上げてしまった。
殿下は存外器用らしい。
「はぁっ、ん、うッ」
そして予想外だったのはもう一つ。
今日まで清い身だったせいで知らなかったが、俺の身体は随分と感じやすいようだ。乳首でいきなりこんなに感じるものか?
殿下の成長が目覚ましいのも認めるが、初めてでここまで感じるのは俺の才能もあるだろう。
「ふ、反応してるな」
「え、ッ」
「ここに触れる事がそんなに心地良いものなのか?」
「んん、ッ!」
指先で両胸をきゅ、と摘まれ押し殺したような声がこぼれる。
俺の素直な反応に気を良くしたのか、殿下は額に汗を浮かべながらも楽しげに口角を上げた。
強弱をつける指先に翻弄されながらも、ようやく殿下との繋がりが馴染んだ事を確認する。僅かにこちらが押されていたが、ここから先は再び俺が主導権を握る番だ。
「っく、」
腹筋に力を入れ内に収められた殿下のものを締め付ければ、堪えきれなかった声が漏れる。
先程まで浮かんでいた笑みは、今では追い詰められ余裕の無くした表情を浮かべていた。
殿下の腹筋に手を添え緩やかに腰を動かしながら、やっぱり顔は好みなんだよなぁと思い浮かべる。
月夜に照らされ光を反射する翠玉の目も、王族らしい煌びやかな金髪も。
馬鹿素直で単純な性根も、可愛げがある。馬鹿な子ほど可愛いと言うやつだろうか。王族としてはその性格はマイナスだろうが、俺はジェフリー殿下のそんな所を好ましいと思っていた。
貴族世界なんて煌びやかなのは表だけ。一皮剥けば、どろどろに煮詰められた憎悪と欲望、ありとあらゆる負の感情が詰まっている。
幼い時分からそれらの感情に触れてきたからこそ、その素直さを損なわれていない殿下に惹かれた。
記憶を取り戻しても、殿下の事は馬鹿だなぁと思うけど、それでもやっぱり愛しさは捨てきれないのだ。
だから正直、コリンに利用されるには惜しい存在だ。
「ジェフリー殿下、っ、は、ぁ」
「っく、」
王族らしく広く豪奢なベッドがぎしりと重みに音を立てる。
緩やかだった動きを止めてから、力の入り難くなってきた足を何とか支えより激しく腰を上下させる。熱気のこもった室内にお互いの吐息と粘着質な水音が響く。
俺は腰をギリギリまで上げると、限界だった足から力を抜き、重力に任せ奥深く貫かせた。
体内から伝わる脈動と濡れた感触に、殿下の絶頂を感じる。
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