3 失踪

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3 失踪

 今から3か月前  成田国際空港 第2ターミナル 到着ロビー  あっ!ミン!  スアンは到着口についたミンに向かって両手を振った。  スアンを探していたミンは、スアンをすぐに見つけると駆け寄ってきた。 『スアン、来たよ、日本に。』 『お疲れさま、ミン。日本で会えるなんて夢みたい……』  スアンは、そう言いながら、ミンの後ろにいるファイサルの方をチラッと見た。  その視線に気づいたファイサルがスアンに小さく手を振った。  手を振られたスアンは、ファイサルに愛想笑いした。  国にいる時から、スアンはファイサルが苦手だった。  ストリートギャングみたいなことをやっていた時期もあったし、仮にそうでなくても性格的に合わない。 『ところで、今日はフリーだっけ?』  スアンがミンに訊いた。 『うん。スアンと一緒にいることが出来る。トーキョー観光したいな。』 『了解、了解。私に任せてっ!泊りは群馬のホテルだったわね?』 『グンマ?タカサキっていう所のホテルに泊まる。仕事場の農場と住むアパートはシモニタにある。』 『そう。群馬県の高崎市よ。働くところは、群馬県の下仁田町でしょ?』 『ああ、そういうことか。』 『ファイサルも同じ部屋に住むんだっけ?』  スアンは、無意識のうちに分かっていることを口にしてしまった。 『悪いね。』  ファイサルは冗談っぽく言ったつもりだったが、スアンには嫌味のように感じた。 『それじゃあ、早速、電車に乗って東京方面に行きましょう。』  スアンは気を取り直して言った。 『ハラジュク、アサクサ……色々行ってみたいな。』 『お任せあれっ!』 『ファイサルもそれでいい?』  ミンが後ろにいたファイサルの方を振り返って訊いた。 『ああ、いいよ。一緒に行く。』  ファイサルは笑みを浮かべた。 『よしっ!これから、この日本で頑張るぞっ!』  珍しく、ミンは鼻息荒く言い放った。 『おっ、ミンの決意表明ねっ!』  スアンはそう言ってミンと腕を組んだ。  ファイサルはスアンとミンの後ろについて歩きだした。  ◇ 「浅草、浅草。」  電車内に女性の音声でアナウンスが響いた。  スアンたちは1時間かけて浅草駅に降り立った。 『さあ、チョー有名な浅草に着いたよっ!』 『ここがアサクサ?何か狭いね?空も無いし。』  ミンは駅の構内を見回しながら、冗談っぽく言った。 『そりゃそうよ。地下だもん。』  スアンは、キョロキョロしているミンを見て、嬉しそうに笑った。 『まずは浅草寺ね。行きましょう。』 『うん。行こう、行こう。』  ミンは、ファイサルの方を向いて、誘うように言った。 『アサクサね。いいね。』  ファイサルは微笑んだ。  3人は地上に出ると浅草寺に向かった。 『あっ!あの赤いヤツっ!写真で見たことあるっ!』  ミンは雷門の大提灯を指さして小躍りして喜んだ。 『あれが雷門の大提灯よ。』  スアンはミンの反応を楽しんでいた。 『写真撮りましょう!』 『撮ろう、撮ろう!』  ミンは、大提灯のそばまで来ると、しげしげと見上げた。  ファイサルは、やや離れて、スアンとミンを見ていた。 『僕が2人を撮ってあげる。』  ファイサルはスマホを用意した。 『ファイサル、せっかくだから、3人で撮ろうぜっ!』  ミンは、他の観光客に写真を撮ってもらおうと、近くの人に声を掛けようとしていた。 『ミン、いいよ、いいよ。僕が撮る。僕は写真写りが悪いから、写真に写るのが嫌いなんだ。』  ファイサルはそう言うと、スアンとミンを大提灯の前に立たせた。 『じゃあ、写すよ。はい、チーズ。』  スアンとミンは、大提灯の前に立つと、満面の笑顔でピースサインを作った。 『仲見世通りを散策しながら浅草寺の本堂に行きましょう。』  スアンはミンの手を引いて仲見世通りを歩き出した。 『すごいねっ!故郷のマーケットみたいだっ!』  ミンは、目を輝かせて通りの両側に並んでいる店舗を眺め、感嘆の声を上げていた。  スアンは、ミンの顔と店舗を代わるがわる見て、楽しんでいた。  ファイサルは、そんな2人の後ろ姿を眺めながら、無言で付いて歩いた。 『あっ!あのキビだんご、食べようよっ!』  スアンがキビだんごを売っている店の前で足を止めた。 『キビだんごって言うの?旨そっ!お腹も空いてきた……』  ミンは自分のお腹をさすりながら言った。 『ファイサルも食べるでしょ?』  スアンはファイサルに訊いた。 『うん。』  ファイサルもうなずいた。  仲見世通りを散策した3人は、キビだんごをほお張りながら、浅草寺の境内に入った。 『あれ、何しているの?』  ミンは、常香炉の線香の煙を頭に掛けている参拝客を見ながら、スアンに訊いた。 『煙を悪いところに掛けると良くなるんだっけ?』  スアンは小首をかしげながら答えた。 『ふーん……じゃあ、あの人、頭悪いんだ。』  ミンがづけづけと言った。 『いや、そういうことじゃなくて……』  スアンは、ミンが日本語を話していなくて本当に良かったと胸を撫で下ろした。  スアンとミンも見よう見真似で煙を身体中のあちこちに掛けてみた。  ファイサルは常香炉から少し離れたところで2人を見ていた。 『じゃあ、本堂に行きましょう。』  3人は本堂に着くと、並んで参拝した。 『ミン、何をお願いしたの?』  スアンはミンに訊いた。 『えっ?別に普通のことだよ。』 『普通って?』 『農業の実習が上手くいきますようにって……』 『それだけ?』 『えっ?あとは、スアンといつまでも一緒にいることが出来ますようにって。』 『なるほどっ!よろしいっ!』  スアンは嬉しそうにうなずいた。 『スアンは何をお願いしたの?』 『女子にそんなこと聞かないでよ。』 『ええっ?ずるいなぁ。』 『ミンと同じようなこと。』 『よっしゃー!』  スアンとミンはハイタッチした。 『ファイサルは何をお願いしたの?』  スアンはファイサルに訊いた。 『僕も、自分の仕事が上手くいくように祈った。』 『そうなんだ。きっと、上手く行くよ。』  浅草寺詣りを終えた3人は駅に向かって仲見世通りを歩いていた。 『高崎のホテルに行かないとならないから、そろそろ切り上げないとね。』  スアンが、ミンとファイサルに言った。 『スアンも一緒に行けるの?』  ミンが訊いた。 『もちろん。トコトン付き合うわよ。』 『何か怖いね……』  ファイサルが珍しくスアンに突っ込んだ。 『2人よりも日本に詳しいから、私が行った方が心強いでしょ?』 『うん、心強い。』  ミンが笑顔で言った。 『2人が住むアパートもどんな所か見てみたいし……』 『普通だよ、きっと。』  ファイサルがボソッと言った。 『いいのよ、別に。普通だってことを確認するんだから。  さあ、行きましょう。』  駆け足で浅草観光を終えた3人は雷門をくぐって仲見世通りから雷門通りに出た。  ミンは、雷門を振り返ると、名残惜しそうに、大提灯を目に焼き付けていた。  ◇  今から2か月前  大学の講義が終わったスアンはミンにSNSで連絡を取った。 【今日、これから会える?】    数分して、ミンから返答があった。 【うん。】   【どこで会う?】 【うん。】 【うんじゃなくて、どこで待ち合わせるの?】 【うん。】  ……ミン、大丈夫なの?  スアンは、急に不安になって、直接電話をかけた。   『あれっ?電話にしたの?』  ミンの抑揚のない声がスマホの向こう側から聞こえてきた。  別に驚いた感じもない。 『ミン、大丈夫?最近変だよ。』 『そうかなぁ。変わらないよ、別に……』 『農場での仕事、実習は順調なの?』 『うん。』 『わたし、これからそっちに行くね。ミンのアパート。』 『えっ?こっちに?  いや、それはだめだよ。』 『どうして?困ることでもあるの?』 『そうじゃないけど……  ほら、ファイサルもいるしさ……』 『別にファイサルがいたっていいでしょ?』 『今から来ても夜遅くなるよ。農作業は朝早いから……』 『なんか……最近のミン、変だよ。』 『そんなことないよ。』 『そんなこと、あるよ。  全然2人で会おうとしないし。何か、よそよそしいしさ。  ……私のこと、嫌いになった?』 『何言っているんだよ。嫌いになんか、なる訳ないよ。  俺もこっちで頑張らないといけないから……  スアンのこと、考えないことなんて1日もないよ。  でも、日本に来て、右も左も分からない中で農業の技術を学んで、180度生活が変わって、俺、余裕がなくてさ……  本当、ごめん……』 『……そうだよね。大変なのはミンの方だよね。  私、一方的に自分の感情をミンに押し付けて……  私こそ、ごめんね……』 『今度時間を作るから、東京で会おう。  下仁田は職場だしファイサルもいるから、こっちでスアンと会うのは嫌なんだ。』 『そう……それならこっちで会いましょう。』 『うん、ありがとう。』  ◇  スアンが思い描いていたミンとの日本での生活と実際のそれとは全く違っていた。  スアンは大学での勉学に励み、ミンは下仁田での農業実習に打ち込む。そして、週末には2人で思いっきりデートして、将来の夢やなんかを語り合う。  そんな、ワクワクするような生活を想像していたのに、現実は違った。  スアンがミンの住む下仁田町のアパートを訪ねたのは、最初の時だけ。  農業法人が社宅として借り上げた、古びた木造2階建てのアパートの1室。居間1部屋と寝室1部屋、それにキッチンの1LK。  大の男が2人で暮らすには狭すぎだったけど、最初、ミンは目を輝かせて喜んでいた。  ミンの実家は、都市部から遠く離れた田舎にあって、野菜を栽培している農家だ。両親は働き者で一生懸命野菜を育てていたが、ミンを含めて5人の子供 の生活費がかさんで生活は苦しかった。  5人兄弟の長男のミンは、家族の生活を少しでも楽にしようとして必死に働いていたが、なかなか生活は楽にならなかった。  そんな時、私が日本の教立大学に留学することが決まって、ミンも日本について色々調べているうちに、技能実習生の制度を知った。  ミンは、その制度を利用して、日本の農業技術を学んで、両親はもとより、自国の農業の進歩に貢献しようと強い思いを持つようになった。  そして、ついに念願が叶って来日した。  そういう思いを抱いて来日したミンだから、狭いアパートの部屋にも目を輝かせて喜んだ。  ……それなのに、ミンが順調に仕事をして実習をこなして夢と希望に包まれていたのは、最初の内だけ……  ミンの態度が少しずつおかしくなって、ついには私と会おうともしなくなった。  ほんのひと月で、明らかに変になっている。人格が豹変している。  何が原因なんだろう?  仕事は農業なんだし、ミンにとっては慣れたものでしょ?  ミンに訊いても大丈夫だとしか言わないし、普段どんな生活をしているのかも分からない。  人って、ほんのひと月でこんなに変わるもの?  ◇ 『スアン、なんか俺、今日すごく疲れているから、もう切るよ。  電話くれて、ありがとう。』 『あっ、ミン?』  ツーツーツー  あっけなく、通話は切れてしまった。  でも、もう一度電話をかけ直すことはためらわれた。  ミンにはミンの都合と事情がある。有って然るべき。  今の状況では、ミンの思いを尊重して、じっと待っているのが私の役目なのかも知れない……  それはそれとして、来日した時の希望に満ち溢れていたミンは一体どこに行ってしまったの?  早く、来日した時のいつものミンに戻って!  ……お願い。  ◇  今からひと月前  ついに、ミンと連絡が取れなくなった。  電話にもでない。  SNSも既読スルー。  一体、下仁田で何があったの?  普段通りの生活をしようとしても、落ち着かない。  大学の講義もバイトも手につかない。  居ても立ってもいられない。  ……こうなったら、下仁田に行くしかない。  思い立ったが吉日という言葉が日本にはある。  行動第一だ。  スアンは寮を出ると自転車に飛び乗った。  快調に5分くらい走ると、いつも利用している赤羽駅に到着した。  駅前広場を横切って自転車置き場に自転車を止めると、前かごに入れていたリュックを背負い駅ビルに向かった。  そして、ホームを確認すると高崎線の電車に乗り込んだ。  電車に乗っている最中もSNSを確認していたが、ミンからの返信はなかった。  ミン、今どこでどうしているの?  電車は1時間半ほどかけて高崎駅に到着した。  スアンは、そこで上信電鉄に乗り換えると、下仁田に向かった。  ローカル鉄道の車内は、時間帯のせいなのか、乗車客もまばらだった。  電車は、徐々に自然豊かになっていく景色の中を心地よい速度で進んでいた。  ふと見ると、スアンが座っている席の近くに母子が座っている。  男の子の歳は4、5歳くらいだろうか。  靴を脱いで窓の方に体を向けて、座席にちょこんと正座している。  何かをつぶやきながら、外の景色を一生懸命見ているようだった。  若いお母さんは、時折スマホを見ていた。  そのうち、何を思ったのか、男の子は靴を履かないまま通路を歩いてスアンのところに来た。  そして、スアンの膝に手を置いて、「どこ行くの?」と訊いてきた。 「えっ?」  スアンは少し驚いたけど、笑顔を作って、「下仁田に行くの。」と答えた。  その時、お母さんが慌ててやって来て、「ごめんなさい。」と言いながら、男の子を抱き上げて席に戻った。 「お姉さんの邪魔しちゃダメよ。靴も履かないで、靴下汚れているわよ。」  お母さんは男の子を優しく注意した。  あの優しさが大切なのかな……  親子の微笑ましい姿を見ていたスアンだったけど、心に余裕は生まれなかった。  この電車も楽しい旅なら旅情をかきたてたと思うけど、今はそんな気分に浸ることはできない。  スアンは、じりじりしながら、下仁田に着くのを待っていた。  1時間後、電車はゆっくりと下仁田駅に着いた。  スアンは、平屋の小さな駅舎を出ると、辺りを見回した。  この地に降り立ったのは、2か月ぶりだ。あのころと違って、すっかり秋の気配になっている。  駅裏を流れている川の水も冷たそう。  初めて来た時は夏真っ盛りだった。私もミンも気持ちが高揚して、夏の太陽に負けない位に笑顔だった。  出来ることなら、2か月前に戻りたい……  スアンは、記憶を呼び起こしながら歩き出した。  確か、ミンのアパートは農協の建物の先の方だった……  スアンは、アパートに向かって歩くにつれて、鼓動が段々と激しくなってきて、えずきそうになった。  ミンはアパートにいるのかな?  私が知っているミンじゃなかったらどうしよう?  ……その可能性が大だ。  スアンは、アパートの近くまで来ると足を止めた。  無意識のうちに物陰に隠れると、そこからアパートの様子をうかがった。  その間、アパートには人の出入りが無かった。  何だか分からないけど、妙にホッとしてしまった。  スアンは深呼吸すると意を決して歩き出した。  ミンの部屋は1階の3号室……  3号室のドアの前に立つと、スアンは再び深呼吸した。  そして、震える人差し指でチャイムを押した。  部屋の中で鳴ったチャイムの音がスアンの耳にも届いた。  …………  部屋の中からミンもファイサルも出てくることは無かった。  聞き耳を立てて待っていたが、部屋の中からは物音一つ聞こえず、人がいる気配もなかった。  スアンはもう一度、チャイムを押した。  ……何の応答もない。 『ミン、いるの?私よ、スアン。』  声をかけてみたが返答はない。  スアンは、ミンの部屋のドアから数歩下がると、アパートの他の部屋を見渡した。  ……なんだか、他の部屋にも人がいる気配はなかった。  前に来た時には、他の部屋に住んでいる人の気配があったのに……  この時間、みんな揃って農場で作業しているのかな?  ◇  スアンの足は、当然のように、ミンが働いている農場に向いていた。  農場には行ったことがないけど、農場のある場所はミンから聞いていた。  下仁田と言えばネギが有名らしい。  ミンもネギの栽培方法を学ぶと言っていた。  農場は町の中心から更に離れた山の麓にあるはずだ。  あちこち迷いながら、1時間くらい歩いただろうか……  ようやく、前方に農業法人の事務所兼作業場のような大きな建物が見えてきた。  黒っぽい壁に赤い屋根。正面玄関の上の所に「希望の農園」と書かれた看板が掛かっていた。  ここに間違いない。  スアンは、その建物にあまり近づかないように大きく迂回すると、後ろの農場の方に行った。  ……えっ?  スアンの目の前に広がっている農場の光景は、とても人の手が入っているとは思えない程荒れ果てていた。  これから冬を迎えるから、農作業が終わったせいかとも思ったが、確か、下仁田ねぎの収穫時期はこれからじゃなかったかな?  それに、栽培していた野菜がネギじゃなくても、作物を栽培して収穫した後の畑には素人目にも見えなかった。雑草が生い茂った荒れ地だ。  どういうこと?  何がどうなっているの?  誰かに騙されている?  ……これって、現実?  スアンの頭の中は混乱と混沌が支配して、現実を受け入れることが出来ていない。  逃げるようにして農場を離れると、建物の正面に回った。  正面玄関の上の所に掛かっている「希望の農園」と書かれた看板をもう一度 見直した。  希望とは真逆の状態じゃない……  スアンは反射的にドアノブを引いた。  ガチャ  ドアは入ろうとする人を拒絶するかのように施錠されていた。  ハッと我に返って、ノブから手を離した。  スアンは、気を取り直してチャイムを押そうとしたが、不思議なことにどこにもチャイムが無かった。  仕方なく、金属製のドアをノックした。  トントン  …………  アパートを訪ねた時と同じように、何の反応もなかった。  もう一度ノックしてみた。今度は強めに。  ドンドンドンッ!  …………  誰にも会えずに意地になってきたスアンは、「すみませんっ!誰がいませんかっ!?」とドアに向かって数回叫んだ。  そして、ドアに耳を近づけたが、一向に反応がない。  建物には窓が無く、外から中をうかがうことも出来なかった。  ミンやファイサルどころか、他の人もいないようだ。  どうなっているの?  ミン、どこにいるのよっ!  急に虚しさがこみ上げてきた。  マンガなんかでよく見る、異世界にでも迷い込んだような気がしてきた。  不意に、得も言われぬ恐怖に襲われたスアンは、辺りに夕闇が迫って来て、途方に暮れた。  ミンに会うことが出来ずに、不慣れな土地にたった一人……  気が付けば、とめどなく涙が溢れ出していた。  心が折れてしまったスアンは、足を引きずるようにして、下仁田の駅に戻って行った。  ……そうするしかなかった。
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