道行かば腹が鳴るなり東大寺

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 大原は美津子と高井と一緒に職員室に向かって歩きはじめた。  高井は三年生であった。大原と美津子は高井が入学した年に勤務する高等学校に就いたのだった。  目的地に着いて大原は美津子といすの上にいたのだ。  高井は美津子を見つめた。 「どうしましたか?」美津子は顔をほころばせた。 「好きな人はいますか?」高井は真顔で言ったのであった。 「私は高井君のこと好きですよ」美津子は真顔になったのだ。  高井は体を動かして声をあげた。大原はどうしたらいいかわからなかった。
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