失恋百回記念日

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そう伝えると、男性は「えっ?」と驚いたように聞き返してくる。男性は美咲が仕事を辞めて家事に専念すると思っていたのだろう。 「えっ、仕事を辞めるつもりはないんですか?」 「はい。小さい頃から就きたいと思っていた仕事なので」 そう美咲が返したところ、断られてしまったのだ。お見合い相手に振られるのは、もう百回目である。百回目になると、振られることにもすっかり慣れ、ショックよりも「またか」という気持ちの方が大きくなるようになった。 男性が帰ってしまった後、美咲はスマホをバッグから取り出す。そしてある相手に電話をかけ始めた。電話をかけてすぐ、相手は出る。 『もしも〜し、また振られたのか?』 「そう!だから来て!場所は××通りの公園」 『わかった、今回も付き合うよ。居酒屋の予約しとく』 「ありがとう。待ってる」
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