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電話が終わって十五分後、美咲の前に「お待たせ」と言いながら一人の高身長の男性が現れた。白いTシャツにデニムパンツを履いており、爽やかな見た目をした彼の名前は桐谷凌。美咲と同じ病院で産婦人科医として働いている同期である。
「ごめん、毎回」
「いいよ。俺、飲むの好きだし」
美咲はいつからか、振られるたびに凌を呼んで二人で居酒屋でお酒を飲むようになった。今日も、古いいつもの居酒屋でおつまみとビールを頼む。
「それで?今回は何で振られたわけ?」
「結婚後の話をしたら振られた。結婚したら専業主婦になってほしかったみたいで」
ビールを飲みながら話す。店員が持って来てくれた枝豆を食べながら、凌が言った。
「確か、前は食事関係で振られたんだっけ?」
「そう。フレンチやイタリアンよりも牛丼や豚カツが好きって言ったら振られた。おしゃれ料理しか食べないように思ってたみたい」
「その前は何が原因で振られたんだっけ?」
「車。相手が車持ってるんだよって言って写真見せてくれて、その車の特性とかベラベラ喋ったら引かれて振られた。車のこと詳しくない女だと思われてたみたい」
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