第1話

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サンタと奥さんのロゼは、お家でのんびりしていました。 魔法使いのサンタは今日も歌っています。 「さぁさロゼ、キミの欲しいものはなんだい?おもちゃの兵隊?かわいい人形?何でもござれ!」 サンタは踊ります。 「僕はサンタ。魔法使いのサンタ。みんなの笑顔が見たいのさ。」 パチン! サンタは指を鳴らすと、ロゼのポケットを指差しました。 「ポケットの中を見てごらん?」 ロゼがポケットの中を見ます。 するとそこにはかわいらしい人形が入ってるではありませんか! 人形を手にしながら、ロゼはサンタに拍手を送りました。 「盛大な拍手ありがとう、ありがとう。」 「いつも拍手する身にもなってよ。」 「でも楽しいだろう?」 「もう。」 ロゼは呆れながらも笑います。 サンタはそれを見てニンマリ。 「もっと笑って笑って、はっはっは!」 「相変わらず陽気ね。」 「そうかい?はっは!」 ロゼは人形を見つめました。 「まだ気が早いわよ、こんなおもちゃ。」 気が早い?何が早いのでしょう? 「兵隊の方が良かった?」 「そういうことじゃなくて。」 ロゼは呆れ顔。 「まぁまぁいいじゃないか、あって困るものじゃないし。」 「今は困るわよ。」 「あら、お気に召さないですか、レディ?じゃあ…。」
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