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「ママ…?」
ロゼのあまりに大きな声に、アンが起きてきてしまったのです。
ロゼは何とか取りつくろいます。
「アン、ごめんなさい、起こしちゃった?」
「アン!」
サンタ、アンに駆け寄ります。
サンタにとって今のアンは、自分の味方をしてくれる助け舟でした。
「アンは…アンは、幸せだよな?みんなが笑顔の方が、アンは幸せだよな?」
「え?」
「な、…寝ぼけている我が子にそんなこと聞いて!」
でも、サンタに悪気はないのです。
サンタは必死でした。
「ヒイやフウやミイ、近所のみんな。パパやママが笑顔の方が、アンも幸せだよな?」
胸がドキドキ鳴っているサンタに対し、アンは寝ぼけまなこでゆっくり答えます。
「うん。それは、もちろん。」
サンタは、笑いました。
それは安心からくるモノでした。
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