第7話

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「は、はは!ほら、やっぱりそうだよな!はは、あっはっは!パパが魔法でみんなを笑顔にしたら、アンも幸せだよな?」 けど、サンタの目は笑っていませんでした。 サンタは必死でした。 口は笑っているのに、目は少し泣きそうでした。 「…うん。」 「はっはっは!」 「パパの魔法、好き。」 「うん。」 「凄く、好き。」 「うん、うん。」 サンタは確認するかのように頷きます。 「だけどパパが好きだから…。魔法が無くてもいい。」 「ん?うん。」 アンは一体、何を言っているのでしょうか? アンの言葉の意味をサンタは考えます。 「パパと一緒にいたい。もっと一緒に遊びたいし、ママと3人でお出かけしたり、おしゃべりもしたい。みんなも好きだけど……3人でもっといたい。」 「え…アン?」 「ふわ、おやすみなさい。」 アンはそのまま寝室に戻ってしまいました。 サンタは考えます。 考えて考えて考えます。 でも考えれば考えるほど。 サンタの顔から笑顔は消えていきました。 ロゼも笑顔ではありませんでした。 けど、怒ってもいませんでした。 ロゼはただただ、サンタに向かって口を動かしました。 「…何というか、その。かける言葉が見つからないわ。おやすみなさい。」 ロゼも寝室に行ってしまいました。 「そうか。…そうかぁ。そう、だよな……。」 サンタは椅子に座りました。 そしてやっぱり考えました。 今までのこと。 これからのこと。 だけど、やっぱり。 考えれば考えるほど、サンタの顔はこわばりました。
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