第7話

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「ま、まぁ、そう…かな。」 サンタ、今度は誤魔化します。 様子が変です。 「っゴホ、ゴホゴホ!」 あらあら、寒い中ずっと起きてたからか、咳も出始めました。 「もう風邪ひいちゃってるじゃん。あ、そうだ、魔法で治したらいいんだよ!」 「…はは。」 魔法。 今は聞きたくない言葉。 考えたくない言葉。 だけど、考えなくてはいけない言葉。 逃げられない言葉。 「そう、だね。」 「あ、そうだ、朝ご飯出してよ!今日はふわふわのパンがいい!それと燃えるくらい熱いスープにー、ぷりぷりのハムにー…。」 「今日はママにつくってもらいなさい。」 ぴしゃり。 サンタはアンの言葉を遮ります。 魔法も拒みます。 「えー。」 「いいから。……頼むよ。」 アンは気づきません。 サンタの顔がいつもと違うことに。 「けちー。ママー早く起きてー、お腹空いたー。」 「……。」
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