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サンタの命の火はもう、消えようとしていました。
それを知っているから。
最初から、全部知っていたから。
ロゼの涙は止まりません。
「魔法は使えば使うほど、あなたの命は減っていくわ。…いくらでも無限に使えるものじゃない、あなたが一番よく知ってるでしょ⁉︎」
それはサンタとロゼだけが知っている、魔法の秘密。
「ごめんね。…けど、僕はやめないよ。」
だから、サンタは謝るしかありません。
だけど、それでもやめません。
「僕はみんなが笑顔になってくれるんだったら、それで満足さ。僕がどんな性格か知ってるだろ?」
そう、知っていた。
だけど、それでも、思いは止まりません。
「そうだけど…そうだけど、こんなことになるなら……。」
止まらない。
「魔法使いなんかと結婚するんじゃなかった…!」
「…本気で言ってる?」
サンタは悲しくなりました。
でもやっぱり、
「ごめんね、いつも怒らせてばかりで。」
謝ることしかできません。
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