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プロローグ
“学校の七不思議”という言葉を聞いたことがあるだろうか。
実際に七つあるかは別として、学校という場所には、呪いや霊にまつわる噂というものがよくあるもの。
大抵は、作り話が広まり、根づいたものだったりするが、その中には“本物”もあったりすることがある。
もっとも、それが“本物”だと気付かれることは稀だ。
何故なら、学校には多くの人間がいる。
呪いにしろ、霊にしろ、“負のエネルギー”は、多くの生命エネルギーを相手には、簡単に悪さは出来ない。
単純な話、数が物を言うということだ。
ただ、時々、そんな大勢の中にいてさえ、“負のエネルギー”に引っ掛かってしまう者はいる。
人気の少ない放課後に残っている生徒や、宿直の教師が見回っている時など、偶然“その場所”に居合わせてしまったりした場合だ。
あるいは、“本物”と知らずに噂の真相を確かめるための肝試しをしたり、生徒が遊びで隠れん坊してる最中など…。
そんな者たちが呪いにかかり、霊に取り憑かれたりすれば、謎の死を遂げたり忽然とその姿を消し行方不明になったりする。
そんなことが起きる厄介な理由は、呪いも霊も、この世の物理法則はまったく通用しないということ。
その“負のエネルギー”が強い程、とんでもないことをしでかす…。
例えば、人が輪切りになる、元いた場所とは遥か遠くで遺体となって発見される、そんなことも珍しくはない。
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