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田中(朱)
「ホントに⁈ヤバ…」
玄人が昨日あった劇的な進展について話してくれた。
「まぁでも、1時間ずっと同じ姿勢で座ってただけなんだけどな」
「いやいや、何言ってんの?急接近じゃん‼︎」
「んー…」
なんつーいい表情すんのよ…。
「で?その絵はもう出来上がったの?」
「デッサンは終わったって」
「で?」
「え?」
「いつ完成するの?とか何使って描くの?とか、言ったよね?どんどん質問していけって‼︎質問すれば答えが来るんだから」
「いや、解ってるよ。俺だって色々聞こうとしたんだよ」
「ひよった?」
「真剣だったから、声かけらんなかった」
「ふーん」
「…朱里も何かあれば、俺聞くからさ」
「は?何…」
「付き合ってんだろ?隣のクラスの伊藤と」
「何で知って…んの?」
「何でって、入学してすぐからだろ?みんな知ってるっつーの」
玄人の綺麗な顔をつねってやりたくなった。
「イケメンのくせに恋愛偏差値低ッ」
「はぁ?」
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