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伊藤(橙)
テスト一週間前からテスト最終日前日の今日までの7日間、朱里と一緒に帰れた。明日からまた部活が再開する。一月の新人戦に向けて、胸に引っかかっているモヤモヤしたモノを消しておきたかった。
「朱里さぁー…佐藤とさぁー…」
「ん?」
「前より仲良くない?」
「…そうだね。仲良いかも」
「…」
「喋るのやめた方が良い?」
「その言い方はズルいよなー…」
朱里が俺の髪を撫でた。
「少し、背が伸びたね…」
相変わらず犬扱いかよ…。
髪を撫でたその手が俺の手に触れて、指の隙間を埋めた。
それだけで、もう充分だった。
必ず次は優勝してみせる。
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