最後の手紙

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 俺、なんでこんなやばそうなことしてるんだろ。 さっさと動画撮って、上手く編集してもらおう。 こんなに不気味な家での撮影を一人でするの無理なんだけど。 「ほんとに幽霊なんて出るのかよ」 「呼んだ? 今幽霊って言ったよね?」    これは、俺が間抜けだったためにお蔵入りになった動画の裏話。  俺は動画のために、幽霊が出ると噂されている廃墟に来ていた。 まだ動画を回す前だけど、幽霊に出会った。 しかし、噂通りの幽霊ではなかった。 そこにいた幽霊は、僕の初恋の相手に似ていた。 「ねえ、そこのお兄さん。私の声って聞こえてる…? 聞こえてたら反応してほしいな…」 幽霊は俺に話しかけてくる。 これ、会話したら呪われるとかないかな、平気か…? 流石に無視をするのはかわいそうだから返事をしてみた。 「君の声は聞こえている…。勝手に家に入って照明器具設置したり、カメラのセッティングしてるのはごめんなさい」 どうか呪わないでくれ…。 と思いながら、彼女に俺の個人情報を教えた。 彼女は、俺の名前を聞いたときに、少しだけ顔を曇らせたように見えたが気のせいだろうか。  あれこれ話すうちに、やはり彼女は、俺の初恋の人だったことが分かった。
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