櫻谷姫乃さんとお掃除ロボット

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「翔、何やってるの?」  我が息子の翔7歳が、どういう訳かお掃除ロボットが動く様子をに見ている。  石原まどかは、洗濯物を干し終えてベランダから戻ってきたところ。  翔はお掃除ロボットから視線を外さないまま、 「お姉ちゃんが言ってたんだ。お掃除ロボットって、犬とか猫と同じペットになるって」 「……え?」  いやだ、茜ったら。何適当なことを言ってるのかしら。まどかは、茜の言葉を信じている翔をなるべく傷つけないように気を配りながら、 「このお掃除ロボットは、リビングをキレイにするために働いてくれてるのよ。だから、ペットとは違うんじゃないかしら」 「じゃあママ、見てて」  翔が、お掃除ロボットの進行方向に、紙を小さく千切って落とした。すると、お掃除ロボットは、ツツツーと近づくとカキカキカキとゴミを吸いこんでいる。 「ほら、ママ、アイちゃんが食べたよ」 「……食べた?(アイちゃん?)」 「うん、可愛いよね」 「可愛い……? 翔、アイちゃんってもしかして、このお掃除ロボットのこと?!」 「うん。お掃除ロボットはAIなんでしょ? お姉ちゃんが言ってたんだ。アルファベットのAI(エーアイ)をローマ字読みするとアイになるって」 「まぁ……そうね。それはそうと、お掃除の邪魔をしては駄目よ」 「ボク、アイちゃんの散歩のじゃましないよ」  散歩って……  先週、我が家にのお掃除ロボットがやってきた。
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