再開した彼女と初めましての私ー魂のありかー

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 フォルツァが消えて一週間。私はプトレのプログラミング修正を続けた。  だが、同時に世界を味わっていた。人工子宮で夢の中、フォルツァの人生を追体験しながら成長していた私には、現実・観れて聴こえて嗅げて触れる『感触』のある世界は、本当に魅力的だった。  フォルツァが復活したかった理由も分かるな。  そして今日。AIのプログラミング修正は終わった。 「プトレ、これで君の役目は変わる」 「イエス、マスター。スフィア90はあと五分後に播種船の役目を終え、惑星コトリスの付属コロニーになります」 「では、プトレ。君のプログラム用応答AIは冬眠状態に入るように」 「冬眠指示を受け取りました」  スフィア90のAIコントロールルーム、画面の中のAIは微笑んだ。満足した人間のように。  このAIには感情も魂も持っていない。魂をかぎ分けもできない、ただのプログラムにしか過ぎない。でも、それでもこのプログラムによっては助かった。 「おやすみ。プトレマイオス」  だから、私は相手が人間であるように言葉を贈った。 「はい、おやすみなさい、マスター。またお会いしましょう」  プトレのプログラミングが終わって、私は自由になった。  役目が終わってもフォルツァ=リーのクローンとして生きていくのが許され、身分の保証もされた。  スフィア90の展望広場でコロニー都市の全てを視界に収める。  よく晴れた空の下、吹き渡る風はキラキラ光り、その匂いは生命力に溢れていた。  ああ。私はこの世界で生きていくんだ。メーテン=フォル=リーとして。  もう誰にも邪魔させない! 「これからよろしくね。愛しているよ、世界」
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