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「向けられる側としたならそれは時に重く、酷く辛いものになることもある。それを知っていればなおさら、他者に背負わせるのも忍びないと感じるだろう。私もそういうものには覚えがある。……だが、きみは。きみも。それを望んで良い側でもあるのだと、覚えておけば少しは楽になるんじゃあないか」 「ですが俺は……」 「何もそんなに重たいものを背負わせろということじゃなく。どうにでもなれと投げることでもないよ。……そうだ、こういう時にああ言えばいいのか。情けないことにこれは昔、僕が娘に言われた言葉なんだが、僕もそれで救われたことがあってねえ」    ――できる限りのことをしたのだったら、あとは悪いようになるなと願いながら待つだけです。民と臣下はそこまで愚かではありませんよ。良いように任せてやれば、いずれ信頼というかたちで貴方に返る。    と、男は少し子供じみた表情でそう言った。
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