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「阿坂がいなくなってせいせいする!」
思ってもいない言葉は簡単に出るが、取り消せはしない。
騒がしかったはずの教室は、今は隣のクラスの声が聞こえるほど静かだった。先程まで僕をからかってけしかけていたはっしーは、気まずそうに視線をそらしている。
「こら! なんでそんなこと言うの! 阿坂さんに謝りなさい!」
先生が慌てて叱ってきたが僕はそれどころではなかった。
いつもは気の強い阿坂が泣きそうになり涙をこらえていたのだ。僕が何を言っても、言い返して来るのが阿坂だったのに。
僕はどうしていいか分からず、教室から飛び出していた。
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