始まり

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始まり

「魔王を倒したら、俺と結婚しろ」  雲一つない空、優しいそよ風、綺麗な花。そして、このセリフ。  いやぁ〜……、完全にフラグ来たね!!!!  話は遡ること俺の前世。 「これ今日中」  定時まであと1時間。俺の机には山積みの資料。なのに、このクソ上司は俺の机に何かを置きやがった。 「あ、もしもし、あっ!いやぁー、お久しぶりです〜」  俺にはあんな冷たいのに、自分より上のやつには媚び媚びしやがって。マジでクソムカつく。しかも、これが指すもの分からねーし。 「先輩、何かできることがあれば……」  隣の席の入社2年目の子が俺に気を掛けてくれる。俺は先輩面するために優しく笑いかけた。 「大丈夫。すぐ終わるから」  なんつって。俺の定時は最近21時だけどな。 「先輩、クマ酷いですよ」 「クマ?冬眠してないのかぁ」 「疲れてますね」  さりげなく会話の方向をずらしたつもりだったのに、ただのヤバいやつも扱いされてしまった。あー、仕事ない世界に生きてーわ。  と、まぁ俺の前世はクソクソライフってわけ。  じゃあ、今は幸せかって?
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